今シーズンからレギュラーに定着し、同期の鳥海芳樹とともにチームの攻撃をサイドからけん引する加々美登生。シーズンが終盤に向かうにつれてフィニッシャーとしての才能も花開き、来季からはJ3・いわてグルージャ盛岡でプロサッカー選手としての一歩を踏み出す。4年になってトップデビューを果たした男は、謙虚な姿勢の中にもプレーへの自信をのぞかせている。
昨季の快進撃をスタンドから見つめ、今だからこそ感じる感謝と自信
-いわてグルージャ盛岡への加入内定が決まりました。率直な感想を教えてください。
今シーズンを振り返ってみて、第4節まで試合に出られず、5節目に自分のポジションに怪我人が出たんです。たまたま試合に出られて、穴埋めという感覚でした。その時は調子が悪かったチームを立て直すために、自分のためというよりもチームのためにがむしゃらにやっていました。その時は「さすがに自分はプロには行けないだろうな」と思っていました。
思い返してみると、チームは去年インカレに出場して、僕は応援席で「この人たちがプロになるんだな…」と思って試合を見ていたんです。なので、今リーグ戦をこなしたり、プロの練習に参加するときには、感謝の気持ちが自然と湧いてきました。それと同時に、「チャンスが来たからには掴むんだ」という気持ちが強くなっていきましたね。
-試合に出ればピッチ上で存在感を放っていた印象ですが、ご自身の感覚はいかがですか?
自分はそんなに感じていなくて…。周りからも「存在感がある」と言っていただけるのですが、自分の中ではついていくので精一杯。とにかく自分が求められていることを体現しようという気持ちを持ってピッチに立っています。
-では、関東リーグの試合に出るときは緊張することもあったのかなと。
実は、緊張はあまりしていませんでした。自分の中では「やれる」という自信を持ってプレーをしています。最近になってゴールやアシストが増えていますが、それまでは結果を求められる中で点が取れず、チームに迷惑をかけていたと思います。
-桐蔭横浜大学に進んだきっかけを教えていただけますか?
甲府U-18ではチームの中心という立場にいて、個人としては全国でも通用するレベルにあると思っていました。とにかく強い大学に行きたいと思う中で、自分の学力とも照らし合わせた時に桐蔭が選択肢に挙がったんです。しかも、八城監督と甲府の監督をやっていた大柴さんが仲が良かったので、練習参加をさせていただけて。でも、練習参加では全く自分のプレーが通用しなかった。「日本って広いな」と痛感しました。ですが、その体験が高いレベルでプレーしたいという気持ちを駆り立ててくれたと思っています。
右サイドはお任せあれ。万能型アタッカーは昇格への貢献を目指す
-大学4年間で成長した部分はどこでしょう?
戦うというか、対峙した相手には負けないということを個人の中で目標にしていました。関東リーグに出るのは今年が初めてだったので、対峙する選手のレベルも上がっていました。自分のところで負けてしまっては、チームもいい方向へ向かわないと思っています。それに、周りのチームメイトもレベルが高いので、彼らのちからを引き出すためにも「自分のところで勝ちたい」とがむしゃらにやっていました。粘り強さという面では成長できたと思います。終盤に入ってから、特に直近の試合では結果が出て来たので、伸びてきた部分として自分でも実感をしていますね。
-プロではどういった選手像を目指していきたいと考えていますか?
僕は攻守に絡めるポジションをこなせる自信があります。たとえ守備に押し込まれてても、攻撃の一角としてチャンスメークができる選手として見て貰いたいです。右サイドでも左サイドでも、サイドハーフもサイドバックもできますし、オールマイティなところが自分の特徴だと思っています。
-プロサッカー選手としての目標を教えてください。
J2に昇格できるチャンスがあるチームだと思うので、1日でも早くチームに貢献できるように、試合に出続けることが目標です。ピッチでプレーをして昇格に貢献できる選手になりたいと思っています。
【プロフィール】
加々美 登生(かがみ とうい)
ポジション:MF
生年月日:1999年2月15日
出身:山梨県
来歴:ヴァンフォーレ甲府U-15-ヴァンフォーレ甲府U-18-桐蔭横浜大学-いわてグルージャ盛岡(2021シーズン加入内定)
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