鳥海芳樹は1年次から桐蔭大のサイドに君臨し続け、関東リーグでは通算79試合に出場したチームの象徴的存在だ。類まれな個人技と試合を決定づける仕事でチームに貢献し続けた技巧派ドリブラーは、2021シーズンからヴァンフォーレ甲府への加入が内定。学生としての足跡を振り返るとともに、将来に向けた誓いを立てた。
「自分の武器」を磨き続けた
-ヴァンフォーレ甲府に内定した経緯を教えて下さい。
12月の上旬に、安武監督から「甲府が気にかけてくれている」と聞きました。これまでも他のクラブが評価をしてくれているという話はありましたがが、なかなか前進しないことが多かったんです。そんな中、最終節の明大戦が終わったタイミングで正式オファーをいただきました。すごく調子がよかったわけではないですし、その日のゴールもごっつぁんゴールでした。その試合が決め手というわけではなかったと思いますが、次の日に電話をいただいてびっくりしましたね。次の日にチームの方とお会いして、すぐに入団を決めました。
-甲府からはどのポイントを評価されていましたか?
自分の武器であるドリブルを評価していただきました。「甲府には前に持っていける選手が少ないので、来てほしい」とスカウトの方に言っていただいて、自分のストロングポイントを重宝してくれたので、入団を決めたんです。
-高卒でのプロ入りを目指していたと思いますが、4年越しにプロ入りが決まった心境を教えてください。
高校時代もいくつか練習参加に行きましたが、結果的にプロになることはできませんでした。大学を卒業してプロになるという気持ちだったので、ホッとしたのが正直な思いです。
-新型コロナウイルスの影響でスカウトとの接触が少ないと思いますが、突然オファーが来たときは驚いたのかなと。
びっくりしましたね。甲府のスカウトの方からも「もっと上のチームから声がかかると思っていたので、ここで声をかけられてよかった」と言ってもらえたので嬉しかったです。
-アピールするチャンスが少ない中で、焦る気持ちもありましたか?
焦る気持ちしかなかったです。自分は1年生の時から試合に出させてもらっていましたが、3年生から試合にで始めた仲間たちが先に進路を決めていましたから。「このままでは無理じゃないか」と思った時期もありましたが、目標を失わなかったことが良かったと思っています。
-この大学4年間で成長した部分を教えてください。
高校時代からドリブルは得意にしていましたが、一方で守備の部分は監督に指摘されることが多かったんです。今は1対1の守備にも自信がついてきたので、その部分では成長ができたかなと思いますね。
-ヴァンフォーレ甲府にはどのようなイメージを持っていますか?
僕が大学でプレーしているサイドハーフのポジションが甲府にはなく、ウイングバックかトップ下での出場になるかと思います。そこで自分の持ち味を出したいなと思いますし、足下の技術が高い選手たちが多い”つなぐサッカー”に自分がアクセントをつけたいですね。
“中体連の誇り”から“日本の誇り”を目指す
-桐光学園時代のチームメイトとプロのピッチで競演できることには喜びもあるんではないですか。
その気持ちはとても大きいです。今年はよく連絡を取っていて、「(進路は)決まらないのか」と言われていました。ジェフ(タビナスジェファーソン/現・水戸ホーリーホック)や、秀(茂木秀/町田ゼルビア)も決まった時には喜んでくれていたので、素直に嬉しいですね。今年から2人と戦えるので、楽しみです。
-鳥海選手のように中体連出身の選手がプロに入るケースは少なくなっていますが、自身はどのように感じていますか?
中体連の時にお世話になった先生に連絡をしたときに、喜んでもらえたと同時に「中体連の選手はみんな鳥海を見ている」と言ってもらいました。自分が活躍する姿を見て、中体連の選手たちが元気にサッカーをやってほしいと思いますね。
-桐蔭での4年間を振り返ってみて、いかがでしたか?
プロに行ってから必ず役に立つ4年間になりました。桐蔭は選手が主体となって練習や試合を行うので、サッカーに向き合う機会が増えて自分で考えてプレーができるようになりました。
-最後に、プロに入ってからの目標を教えてください
試合に出続けて、日本を代表する選手になりたいです。ドリブルは誰にも負けたくないので、サポーターの皆様にも「鳥海のドリブルはすごいな」と思ってもらえるような選手を目指していきます。
【プロフィール】
鳥海 芳樹(とりかい よしき)
ポジション:MF
生年月日:1998年8月1日
来歴:
藤沢市立村岡中学校→桐光学園高校→桐蔭横浜大学→ヴァンフォーレ甲府(2021シーズン加入内定)
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